インプラントの「使い廻し」報道

先日の新聞などで、愛知県の某・歯科医院で一度手術に使用して上手くいかず、抜けてしまった「インプラント」を別の患者にいわゆる、「使い廻し」をしていた・・というニュースが出ていました。

ちょっと調べてみたらその歯科医院はかなりインプラント治療の症例も多く、それなりの実績も上げているようにも思えたのですが、反面いろいろな問題点もあったようです。

ここで、そんな「推測」の部分はさておいて、一度ダメになってしまったインプラントを滅菌などしてまた「再利用」する・・ということが出来るのか、可能なのかと・・という事を考えて??みると・・・。

 

コレはどう考えても、とてもではないが「無理」です。

本人は「滅菌」なり「消毒」なりをしたつもりかも知れませんが、一旦生体に埋め込まれたインプラント本体には様々な「「変化」が生じていて、通常の歯科医院レベルの滅菌処置では新品の状態にはとうてい戻せません。

・・・と、言うよりこれは「倫理観」の問題ですよね。

そんなもん、使ってはイケない・・のです。

 

でもね、これって以前にもあった「耐震偽造」や「なんとかホープ」の牛肉偽装事件にもつながっていく問題なのかな、とも感じてしまいます。

これらの事例の根底にあるのは「コスト削減」・・の意識ですよね?

けど、少なくとも私たちの医療ではコストの削減の前に考えねばならないことは一杯あります。

 

わたしはその部分について、姿にもカタチにも見えてはこないけど、歯科医師としての「プライドとこだわり」、このことをもの凄く意識しています。

こういう意味あいにおいて、件(くだん)の愛知の某センセイは、歯科医師にしか許されていない医療行為についてなんのプライドもこだわりも持ち合わせてはいなかった、と言うことでしょうか。

残念なことです。

 

 

 

パール歯科医院
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